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万能にして王道 釣り好き社長がつくった傑作フィッシングベスト

万能にして王道 釣り好き社長がつくった傑作フィッシングベスト

2024.3.28配信

頬をなでる風も暖かくなってきた今日この頃、多くの人が待ちわびていたアウトドアのハイシーズンが到来した。

渓流では、水生昆虫の羽化とそれを捕食する魚たちの活動が春の訪れを告げる。水生昆虫の成虫や幼虫を模したフライでヤマメやイワナを誘い釣り上げるフライフィッシングは、大自然の素晴らしさを実感できる遊びのひとつだ。

ただ、野生の魚は手ごわい。さまざまな道具を使い分けながら駆け引きに知恵を凝らす必要がある。小道具類を整理収納し、状況に応じてさっと出し入れできるフィッシングベストが欠かせない。

釣り人の両手と行動を自由にする

「フライフィッシングをする人はバッグ派とベスト派に分かれますが、ベストだと両手が空くから、動きやすかったり転倒防止にもなるので安全なんですよね」

子どもの頃から釣りが好きで、フライフィッシングは24歳の時に覚えたという株式会社プランナーの代表取締役、齊藤淳司さん(54歳)はそう話す。

30年以上にわたり大手釣り具メーカーのODM/OEM製品を手掛けてきた同社が、初のオリジナルブランドとして2023年3月に立ち上げた『Minowa Vest Laboratory』(ミノワ ベスト ラボラトリー)は、長年のノウハウが詰まった自信作だ。

とくにマス釣り専用の「High-Spec 3way Trout Fishing Vest 税込29,700円」は、フラグシップモデルにふさわしい機能と風格を備える。

全部で17個あるポケット内にはループが付いている。糸を切るためのクリッパーなど、うっかり落としてしまいがちなアイテムを結びつけておくことができる。

また、前身頃と後身頃の2カ所にあるロッドホルダーには、両手を空けたいときにロッド(釣りざお)を挿しておくことができる。

製品名に3wayとあるように、シーンに合わせて3つの形態に変化するのもこの製品の大きな特徴だ。

2つ目の形態は背中をメッシュ仕様に変更できる。蒸れを防げるだけでなく、またメッシュの部分には保冷剤やペットボトルが入る大きさのポケットが隠されている。

3つ目の形態は、バックパックを背負って山岳源流に分け入るような釣り上級者におすすめ。

背面部を付属のハーネスパーツに変更することによって、背中が涼しくなりゴワゴワした不快感もなくなる。

他にも、さまざまな体型にフィットするジョイント機能があったり、はっ水性や耐久性の高いリサイクルナイロンを生地に使用するなど、こだわりは尽きない。

「私が商品企画や開発に長年携わってきた中で、最高峰の出来だと思います。自分が釣りに行く時も着ていますしね」

色のバリエーションは、カーキ、コヨーテ、ネイビー、そしてフライフィッシングには珍しいブラック。親子で釣りを楽しみたい人向けにキッズ用。価格は税込17,600円。

また、荷物を最小限にしたいミニマリストには「Mountain Stream Vest 税込18,700円」がおすすめ。スタイリッシュな見た目なので釣り以外のシーンでも使える。

2023年11月にはキャンプ向けのエプロン型ベスト「Hanging Storage Vest 税込13,200円」も発売された。これらの商品はオンラインショップで取り扱っている。

フライフィッシング界の重鎮が認めた個性

実際にミノワベストを手にとることのできるプロショップの一つが、浅草にある「つるや釣具店」。

1931年に創業した同店は日本最古のフライショップとして知られ、価格より品質を重視する目利きの顧客がついている。また店主の山城良介さんは業界の生き字引として全国にファンがいる。

店のドアを開けると、真っ先にミノワベストが目に飛び込んでくる。

「うちはね、一般の釣具店に置いてあるものは少ないんです。手づくりだったり、オリジナル性に富んでいたり、工夫されているものしか置いていない。このベストはアイディア満載でしかも使いやすい。3シーズン使える3way構造もいいですよね」

審美眼の高い山城さんもミノワベストの個性には感心し、取り扱いを決めた。

お店での反響は上々だ。既にフィッシングベストを何着も持っている人でも「これ、いいよね」と買っていくという。

トップダウンを封印して部下に任せる

同社が自社ブランドを立ち上げたのは、コロナ禍で売り上げの激減に直面したことがきっかけだった。

「どんなにいい商品を開発しても発注書が来ないと生産できないし、売り上げが立たない。これはまずいと思ったんです」

東京都の中小企業振興公社の「売れる製品開発道場」に参加し、1年間かけて新規事業立ち上げのプロセスを学んだ。

社内で一番釣りに詳しいのは齊藤さんだが、フライフィッシング用ベストのデザインと機能以外は従業員にすべて任せている。

「マーケティング、企画、デザイン、営業までチーム体制で進めています。社員みんなでキャンプに行って、ベストの使い心地を試して改良に生かすこともありますよ」

販売したらそれで終わりではない。本社の3階にはミシンが置いてあり、購入後の製品の修理はここで対応する。

アメリカ発のベストのほとんどに生涯保証が付いているように、ミノワベストも同様のサービスをうたう。

「ベストといえばミノワベスト」を目指して

ミノワベストのラインナップはさらに広がっていく。

2024年3月25日には、海釣り向けの拡張型フローティングベスト「Float Base Vest 税込20,900円」(写真右)と水上スポーツSUP専用の 「Pullover Square Vest for SUP 税込18,700円」(写真左)も発売された。

どちらもイギリス軍で採用されている仕様を取り入れ、追加のポケットを自分で取り付けることができる。

自然災害の多い日本で命をつなぐ役目を果たす、防災ベストの企画も進行中。まずはクラウドファンディングに挑戦して、反響を確かめる予定だ。

「今後は釣りだけではなくさまざまなシーンに対応する商品をつくって、ゆくゆくは 『ベストといえばミノワベスト』と言われるようになりたいですね」

齊藤さんにとって、釣りは人生そのものであり、釣りを通して多くのことを学んだという。

「大自然の中に行くと、人間関係も仕事も、あらゆる事象が自然と同じだと思うんです。長い間釣り場に通い続けることによって、現場には何かしら解答があることを知りました」

ビジネスも釣りも、自ら考え工夫して仕掛けることが大切。そんなふうに世の中の変化やニーズを見極めながら新しいビジネスや製品を展開している同社。

その実績と確かな品質で、自然を愛する人たちの生涯の相棒となるような製品を生み出し続けていくだろう。

株式会社プランナー
東京都台東区竜泉1-21-18 map
info@minowa-vest-laboratory.jp
https://www.minowa-vest-laboratory.jp/
STORE: https://minowa-vest.stores.jp/