「伝統×デザイン」から生まれる 1000年の歴史を超えた 「せともの」のカタチ

「伝統×デザイン」から生まれる 1000年の歴史を超えた 「せともの」のカタチ

「先取の気性」を今に受け継ぎ世界を驚かせるセラミック・ジャパン

「せともの」といえば陶磁器全般の代名詞。そのルーツになったのは、愛知県瀬戸市で生まれた「瀬戸焼」です。日本六古窯にも数えられ、1000年の歴史をもつ「瀬戸焼」は、日本を代表する焼き物のひとつ。国内で初めて人工の釉薬(ゆうやく)を使った陶磁器としても知られ、19世紀には欧米の万国博覧会に出品されるなど、当時から高い評価を受けていました。

ceramic02ceramic03ceramic04

第二次大戦後、復興期の日本の窯業を牽引したのも瀬戸焼。地元でとれる良質な陶土と洗練された高度な技術は、茶碗や皿などの不足していた生活必需品はもちろん、海外輸出用のディナーセットや電磁器、ノベルティなどにおいても優れた製品を生み出しました。とくにノベルティは「セト・ノベルティ」と称されるほど人気を博し、人形や動物など装飾性の高いモチーフを題材にした「せともの」が、最盛期には世界の80ヵ国あまりに輸出されていたといいます。

ceramic05

しかし、1980年代後半からの大幅な陶磁器輸出量減少により、瀬戸焼も縮小の一途へ。また近年の不況がさらにダメージを加速させ、「せともの」の担い手自体が減少してきているのも事実です。

そんな逆境の中にありながら、「せともの」の新たな可能性に挑戦し続けている企業があります。愛知県瀬戸市にある従業員8名の中小企業、「株式会社セラミック・ジャパン」です。瀬戸焼がもつ「先取の気性」を今に受け継ぎ、実用性と芸術性を兼ね備えたセラミック・ジャパンの「デザイン陶磁器」は、世界のアートシーンを驚かせ、大きな注目を集めています。

ceramic_10ceramic_11ceramic_12