川口に新店舗!韓国スーパー「ソウル市場」は本場の力で仕掛ける

川口に新店舗!韓国スーパー「ソウル市場」は本場の力で仕掛ける

いま日本は第4次韓流ブームの真っただ中。流行と衰退を繰り返しながら、エンタメ、美容、グルメと幅広い分野に浸透しています。

商店や飲食店がひしめくJR川口駅東口から徒歩3分の場所に、2021年12月オープンしたのが韓国食品スーパーの『ソウル市場』川口店です。2009年に新大久保にオープンした1号店は、日本最大級を誇る品揃え。“ここに行けば韓国の食材が何でも手に入る”と評判の店です。

売場面積約70坪の川口店は1号店と同じ2000点以上のアイテムをそろえます。オーガニック、冷凍食品、レトルト、お惣菜、菓子、調味料、アルコールと、ハングル文字で書かれたアイテムがずらり。平日の日中も客足は絶えません。

「もともと韓国の文化を日本に広めたいという思いから始めました。なので、ソウルの南大門市場とか東大門市場の雰囲気をそのまま感じていただけるよう工夫しています。一歩入ればそこはもう韓国――それがこの店のコンセプトです」

そう語るのは、ソウル市場を運営する株式会社ハッピー食品代表取締役の晋永燮(ジン・ヨンサブ)さん。食文化を通じた日韓友好の功績が認められ、2013年に韓国政府の産業通商資源部長官賞を受賞しました。

韓国グルメ人気の火付け役

香ばしい肉の匂いに誘われて、階段を上がった2階にあるのが『韓サラン』川口店。世界を席巻するK-POPの映像が壁いっぱいに流れ、ファンにはたまらない空間です。座席数は100以上あり、若者からファミリーまで幅広い年代の方が利用しています。

人気メニューは、甘辛ソースで炒めた鶏モモ肉と野菜を鉄板の上で溶かしたチェダー&モッツァレラチーズにたっぷり絡めて食べる「チーズタッカルビ」(1,100円税込)。

実はこれ、ハッピーグループで生まれた料理なのです。韓国の郷土料理・タッカルビに、同じ鉄板でチーズを溶かし絡ませる食べ方を最初に確立させました。その圧倒的なビジュアルから“おいしくてインスタ映えする食べ物”と若い女性の間で大流行。ファーストフードやファミレス、コンビニが模した商品を出すほどのムーブメントになりました。

「タッカルビ本来の辛さにチーズのまろやかさがミックスされて、より一層親しみやすい味わいに仕上げました。こういったところも日本人に受けたポイントだと思います」

食を通して文化を広めていきたい

1階のスーパーに戻って売り場に目をやると、輸入品だけでなく、自社工場で開発・製造したお惣菜やオリジナル商品に目がとまります。その数はおよそ50種類。実際に韓国の食卓で出されるような本場の味を再現すべく、添加物は極力まで控えています。

看板アイテムは韓国の伝統的な家庭料理、参鶏湯。450g(597円税込)と1㎏(1,009円税込)から選べるレトルトタイプは、電子レンジや湯せんで簡単に作ることができます。コクの効いたスープに、もち米と鶏肉がたっぷり入って食べごたえのある一品。お好みで錦糸卵やネギ、鷹の爪などを加えると、より本格的な味わいになります。

さらにボリュームを求める方には冷凍タイプもおすすめ。鶏肉が1羽の4分の1入った400g(597円税込)か、半身が入った850g(802円税込)の2種類があり、リピーター続出の大ヒット商品です。

晋さんとともに日本における韓国食ブームをけん引する一人、ハッピー食品の宮本研常務取締役は次のように語ります。

「韓国の食文化は薬食同源という基本構成から成り立っているんです。参鶏湯は、その中で一番代表的なもの。今、参鶏湯を中心にそういった背景までどんどん注目されてきています」

現在、同社の商品を扱うスーパーは全国各地に800ヵ所以上。韓国食文化の浸透を追い風に需要は今でも増え続けているそうです。

地域の食とコラボして日本に恩返しを

陳列棚に並ぶ商品は、シズル感のあるパッケージと相まって、思わず手が伸びます。

これらのオリジナル商品を作っているのが戸田市にある自社工場です。生産数の約半分はOEMだそうで、5年ほど前から全国各地の食材を使った商品開発にも取り組んでいます。

香川の名産・讃岐うどんとコラボした「ユッケジャンうどん」(541円税込)は最新のオリジナル商品。ピリッと辛い深みのあるスープに柔らかく煮込まれた豆もやし、ぜんまい、牛肉、ネギなどが入っています。コシのある讃岐うどんとしっかり絡み、やみつきになる一品です。

晋さんのモチベーションになっているのは、自分を成功者にしてくれた日本への恩返し。自社のノウハウを生産者に提供することで、韓国と日本のかけ橋のような存在になれたらと語ります。

「地方にあるいろいろな食材を韓国の食とうまく合わせることによって、その魅力がさらに広まっていくんですよね。うちの持っている技術を使ってどんどん開発して、日本の農業を盛り上げていきたいんです。いま制作中のコラボ商品もいくつもあるんですよ、期待してほしいです」

韓国グルメのヒットメーカーが次々仕掛ける“美味しい”文化交流に、今日もたくさんの人が集まってきます。

ソウル市場川口店
埼玉県川口市栄町3丁目8-2 map
048-229-1775
9:00~23:00
無休
https://www.seoul-ichiba.com/

韓サラン川口店
埼玉県川口市栄町3丁目8-2 map
048-446-7333
11:00~15:00(L.O 14:30)
17:00~23:00(料理L.O 22:00/ドリンクL.O 22:30)
無休